はやく俺を、好きになれ。



悩む俺を横目に、真優はごそごそと鞄を漁り始めた。


そして取り出されたのは小さな箱。

黄色のリボンが結ばれている。


何だ?と見つめていると、真優はそれを俺に差し出した。


驚きで声も出ない俺に真優は言う。



「……ハッピーバースデー、陽」



漸く“特別な日”が“誕生日”だと気付く。


それと同時に今日が自分の誕生日だったことを思い出した。
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