はやく俺を、好きになれ。



「さっき…見たんだ」

「ふぇ…っ?」

「真優と他の男がキスしてるプリクラを見た」



その言葉に真優は涙が溜まる目を見開いた。



「嫌だったんだよ。お前が他の男とキスしてたのが。だから、苛々してた――――ただそれだけだ」



本当にそれだけの事なんだ。真優が誰かとキスしているところを見て苛ついただけだ。勝手にキレて勝手に八つ当たりしただけだ。


だから真優は何も悪くねえ。俺にとやかく言える筋合いもねえし、好きな男とキスするのに俺の許可なんていらねえだろ?


そう分かってた。


分かってる筈、だった。

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