はやく俺を、好きになれ。
「陽も綾ちゃんとお友達なんだね!」



お と も だ ち ?


いや。違う。止めろ。友達なんかじゃねえ。葉と似た奴が2人もいたら精神的にキツイだろ。


にこにこ聞く真優に躊躇う。自分の親友を貶されたらどう思うか。迷った挙げ句の果てに渋々頷いた。



「………まあ、な」

「葉君の双子だもんね。やっぱり知り合いかぁ。真優は綾ちゃんと葉君が双子なんて初耳だよ!」



俺も初耳だ。


真優と綾が親友なんて初耳だ。








葉は知っていた。真優のことを。真優の親友であり自身の双子である綾から色々聞き出しては、いまだに真優を隠す俺を嘲笑。


綾は知っていた。真優のことを。素知らぬふりして真優って誰?と言っておきながらまさかの親友だ。裏では真優と関わりながら表向きには赤の他人。


――……コイツ等、あり得ねえ。
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