はやく俺を、好きになれ。
なんだかもう面倒臭くなり呆れたように呟いた。



「もう運動靴でいいんじゃね?」

「えぇ!?ヤダ!ダサいよ!陽は女心が分かってない!だから彼女が出来ないんだよ!」

「………」



それは俺にとって禁句だ。


お前が俺に靡かないから彼女が出来ねぇんだよ。誰でも良かったらとっくに出来てる。


後ろでバカ笑いする双子を睨むと口元を押さえて肩を揺らした。


「…っぶふ!き、聞いたかい?葉。陽はいまだに彼女が出来ないらしい…っ!」

「き、聞いたよ。陽の気持ちはまだ届いてないんだね。憐れすぎて涙が出るよ……ぶはっ!」

「「……っぎゃはははは!!」」



腹を抱えてヒーヒー笑う双子。


ヒクリと口元が引き攣り青筋が立つ。いますぐ近くの海に沈めてやろうかと思った。
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