はやく俺を、好きになれ。
「……本当に陽は勿体無いよね。僕が陽なら女の子と遊びまくるのに」

「今でも充分遊んでるだろ」



葉は、女で溢れるテニスコートに見向きもしない俺を苦笑いする。


よく教室を見渡せば補充の男達が窓に屯している。テニスコートを指差しては騒いでいた。


それを俺は冷めた目で見つめる。誰が可愛いだの、誰の足が綺麗だの、誰の胸がデカイだの、――――――…下らねぇ。



「陽は真優ちゃんにしか興味ないから仕方ないか」

「まあな」



即答する俺にまたもや苦笑。


葉がどれだけ呆れようが笑おうが俺は真優しか見えねえよ。そりゃ真優は俺のことを屁とも思ってねえ。


何度も諦めようと思ったが、結局終着点は真優だった。
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