はやく俺を、好きになれ。
「大丈夫だよ。“ギャップ”ってやつだから」

「ギャップ……」



ホントに女はそんなもんに揺らぐのか?否、女と言うより真優だ。アイツは少し特殊だ。ふらふらしてるように見えて芯が確りしてる。簡単に揺らめく気はしねぇ。


苦渋の色を見せる俺に葉は携帯を押し付けてきた。



「今日は陽とプールに行けなくなったから綾と行ってるらしい。綾と一線を越えられたくないなら、電話しなよ」



越えるわけねぇだろ。


と言いたいが言えない。


綾ならヤりかねねえ。なんたってコイツと血を分けた双子の姉だからだ。あの獲物を狙うような目で真優を見ているのかと考えると、真優の叫びが脳に響く。


携帯を操作して真優の番号を出した。
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