はやく俺を、好きになれ。
電話の相手が真優だということを少し忘れてしまっていた。覚えていたらブスなんて言うか。真優がブスならこの世の女は溝鼠以下だ。

一昨日葉の元カノに絡まれた怨みからスラスラと罵倒出てきた。


が、忘れちゃイケねえ。


この携帯の向こうに居るのは真優だ。


そして歯軋りの音が聞こえたことでハッと我に返る。



『誰がブスだコラァーっ!』



キィィィン!と響く。


耳鳴りがやべえ。



『真優は心配してあげてるんでしょっ!?なのに、何それ!?陽のお馬鹿!もう知らないんだから!陽なんか、大ッ嫌い!』



プツンッ。


ツーツー……
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