はやく俺を、好きになれ。
俺は嬉しさのあまり真優に土下座しろって言ってしまった。


ただ真優に泣きながら“ヤダ!何でもするから!許して!”なんて言ってほしかっただけなんだ。


なのに真優の態度は俺が想像していたものと違った。


……あれはマジで悲惨だった。












結局、真優の親が止めに入るまでボコボコにされた。


胸ぐらを捕まれて『誰に物を言ってんだ!』と睨まれたときは真優がヤ〇ザかと疑った。


それから両家では真優に命令してはイケないと言う暗黙のルールが出来たぐらいだ。


今では真優も穏和になって女らしくなった。我が儘すぎて違う意味で面倒臭い子に成長した、と真優の親が小言を洩らしていたが…。


たまにカチンとクるときもあるが抑えているのがわかる。無言で“命令”を聞くも―――俺は別だ。昔から知ってるヤツには容赦ない。

もし、今、真優が目の前に居たら確実にこのシャーペンを目に刺されていただろう。
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