ウソつき王子
「わ、私、付き合ってるつもりなんかないんですけど…」

私の声は小さくて、神谷君の耳には届かない。

私は勇気を振り絞って、昨日みたいな声を出した。

「私っ、神谷君とは付き合えません!!」

その場が凍りついたようにシーンとなる。
私はもう一度叫んだ。

「もう、関わらないでください!!
私なんか神谷君のこと好きでもないし、ふさわしくもない!
それなのにどうしてー…」

私は神谷君に口を塞がれて、(今回は手だけどね)連れていかれる。

ヤバッ、もしかして怒られる?

校舎裏について、私はやっと自由になった。
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