ウソつき王子
「バカじゃねーの!」

え??
私がバカ??

「どうしてですか?」

私今、きっとまぬけな顔してる。

「だから!そんなこと人前で言ったら、お前が目ぇつけられんだろ!!」

もしかして、私のため?

神谷君が怒ってる。
神谷君が私のために怒ってる。

私はなんだか嬉しくなって、思わず笑ってしまった。

「笑うな!
笑ったら、また口塞ぐぞ!」

ああ、昨日のアレですね。

「いいよ。私の口塞いで!」

神谷君が口を開けてポカンとしてる。

当たり前だよね。

自分でもビックリしてる。

なんか、今日の私は積極的。

神谷君にキスしてほしいって思ってる。

今日の私はどうかしてる。

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