自己暗示と愛
(大きい道に出ないとなぁー。あ!!出れた!)

ブォォォン

センスよく改造された走り屋の車が向こうから来た

(うわっかっこいい車ー)


ブォォォン


車に見とれていた私はその車の運転手と目があった








・・・・・・・・・・・・・・・・・・







私にはそれが、世界が止まったような衝撃だった




キュキュキュキュッ


あわてて振り返ると

通り過ぎて行った車がUターンをしている。

(ゲッ!やばい!見過ぎた。無視しよう…)




車が近づいてくる音がする


心臓がドクドクしてる



「まりあ――――――!!」



え?!


目を凝らすと、ここはホテルを出てまっすぐの道。

谷川が走ってこちらに向かってきている。


(あんなにクネクネ走ったのに…ホテル近っ。)



ブォォォン



(ゲッ。さっきの車が横に並んだ…無視しよう)



ウィィーーーン


(窓が開いた音聞こえる――――!!殺されるー!)



「ねぇ」


(優しい声・・・)

(いかんいかん!!無視、無視)


「ねぇ、お姉さん」


(これは人生初のナンパというやつか!!か、顔だけ拝見しようかしら)


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