何処かの少女の話。
例えそれが嘯きでも。




ーーあぁ、解らない。



少女は悩んだ。



ーー私は…なにをしている?




血塗れの亡骸を見て、ふと思った。




"自分が殺った"



その淡々とした事実が、彼女の心を抉っていた。




『ゆ、許して…っ、助けてよっ…!』




その懇願するような瞳と声が、頭でエンドレスにリピートする。





「…っ、た。」




頭痛がして、こめかみを抑えた。





周りを見回すと、死体の周りには紅い血が飛び散り、その当人は、額や上半身のあちこちに穴が空き、口はだらしなく開き、目も半開き状態だ。





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