何処かの少女の話。
香坂千里 年齢、22歳。
身長が高くスタイルの良い美人だ。
彼女の職業は殺し屋。
事務所を通して依頼を受け、人を殺す。
事務所に帰る途中、フラッシュバックや頭痛が止むことは無かった。
ーどうして、今更。
「…あぁ!もう!」
苦痛に耐えきれなくなり、闇夜に向かって叫ぶ。
と言っても、人っ子ひとりいない路地裏では、消えてなくなる声だが。
人を殺した事など、"あの人"以外にもいくらでもあるはずで
自身でも、この状況は見慣れていると自負していた。
久々に感じた、憎悪。
罪悪感と劣等感、苦痛を混ぜて割ったような、なんとも言えぬ、不快感。
寒気がして、いつまでも"視られている"気になる。