だから、恋なんて。
なんなの、一体
消灯してすぐのまだ早い時間帯に、ふぅっと一息ついたとこ。
またしても、背後から低くて威圧感まで感じさせる声が響いた。
「結城先生のものになったんですか?」
「………はい?」
またしても職場らしからぬ言葉に、ホントにこの人から発せられた言葉なのかと耳を疑う。
「あの…青見先生?どうかしたんですか?」
久しぶりに見る青見先生は、わずかに口端をあげてじっと視線をはずさない。
う…なんなの、一体。アイドルみたいな華やかさはなくても、整った顔立ちをしている人から見つめられた経験なんてさほどない。
免疫がないからか、うまい返しもかわす表情もできない。
あまりに真っ直ぐに注がれる視線に、無視することもできずにチラッと休憩室の扉に視線を送る。