だから、恋なんて。
う~ん、これはもう貸切にしてもらったほうが人数の増減があっても平気かな。
当日になって減った、増えたは迷惑だろうし。
でももう日にちが迫ってるし、貸切ってのはさすがに無理かもなぁ…。
榊の後ろをついて更衣室までの道で思案していると、突然立ち止まった背中にぶつかりそうになる……っていう
か、軽く鼻先をぶつけた。
「った……なに、よ?」
立ち止まったままの榊の顔を見ると、まっすぐ前を睨んだままチッと舌打ちまで聞こえる。
辿るように視線を向けようとする前に、榊に腕を引っ張られて強引に廊下の角を曲がる。
「え、ちょっと、榊」
グイグイ引っ張られながらも、榊の異常行動に顔だけさっきの方向に向けると。
瞬時に、私の視線も相手を睨むものとなる。