だから、恋なんて。

スッピンはかなり、ヤバい。や、化粧をすればイケてるとかじゃあないんだけど。

とにかく夜勤明けのスッピンなんてものは、自分でも直視するのが厳しい。

このくすんで張りを失くして疲れた顔を、どうにかしようと思うのは何故なんだろう。

社会人として?恥ずかしくないため?それとも……アイツに見せるため、ではないことを信じたい。

何を着ようか必要以上に悩むのも、気が重い幹事なのに少し楽しみなのも……アイツは関係ないと絶対に言い切れる?

自分の心の奥底がわからなくて、分かりたくなくて、認めたくない。

でも……そう思っている時点で、もうダメなのかもしれないけど。

チラッと時計に目をやるともう十分もロスしていて、慌てて化粧をし始める。

いつもより少しだけ丁寧に、少しだけ手を加えて。

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