だから、恋なんて。

今日の夜勤の相棒は新人だったから、いつも以上に神経の使う勤務で。

急変もなくて、緊急のオペもない夜勤だったけど、新人をフォローすることもたくさんあって、終わってみたらずしっと体の怠さが増した気がして、仮眠用のソファにもたれかかる。


あの日―。

とりあえず差し出された手は無視して、揃って串揚げ屋を出たけど、もう思い出せないくらいにどうでもいい話をしながら二次会に着いて。

着いたら着いたで、立ち上がって盛り上がる酔っぱらいの波にのまれて話すことはおろか座ることさえ許されずに過ごすこと二時間。

酔っぱらいだらけで収集がつかなくなって、榊と会計だけはきっちり済ませてあとは勝手に帰ってもらったから、誰がどうやって帰ったかなんて把握してないけど。

多分アイツは同じマンションの医者とか研修医なんかと固まって歩いてた、と思う。

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