だから、恋なんて。
ほんとのところ、私はアイツのことが少なからず好きなんだと思う。
あ、いや、好きっていうと言い過ぎかな。
お風呂上がりにドライヤーで髪を乾かす気にもなれず、脱力してソファに座る。
うん、気にはなっている………少なくとも医者と呼ばれる業種の中では一番に。
……ただ、それを認めることに、とてつもなく抵抗を感じてしまう。
これはあれだ。
ほら、最初はどっちかっていうと嫌いだった人に惹かれてくことに抵抗があるっていうか、信じたくないっていうか。
例えば青見先生のように医者として、職場の同じスタッフとしての尊敬みたいなものが先にあって、そのうえで惹かれていくっていうスタンダードじゃないことに……って、青見先生もプライベート無茶苦茶な人だったんだった……。
はぁ~っと息をついて、タオルでガシガシと頭を拭く。