だから、恋なんて。

「ちょっと…」

「こういう炭酸系飲みたくなりますよね、夜勤明けって」

「う、うん」

プシュっと爽やかな音をたててボトルを開けると、文句を言う暇もなくぐびぐびと喉を鳴らして飲み始める。

「ちょ、榊!私もうそれしか飲み物ないのに…」

げふっと盛大なゲップをする榊の目は、何故か悪戯を企んでいる子供のようにみえる。

「結城先生って、ほんと人気あるんですよ。スタッフからも、患者さんからも」

「うん…ん?」

また戻ってしまった話の流れになかなかついていけない。

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