だから、恋なんて。
まだ納得できてない私にこくんと頷いた榊は、空のペットボトルを手渡して、「ごちそう様です」の途中で盛大なゲップと共に休憩室を出ていく。
……あんた、一応いい歳した女なんだから…。
しかも、容姿ならICUで一番なのに、そのゲップは…。
残されたペットボトルをゴミ箱に捨てながら、榊のゲップに苦笑して。
ちょっとしたことで気分が晴れてきた自分にも苦笑しながら、「お疲れ様でした」と声をかけてICUを横切る。
炭酸の所為でお腹をさすりながら点滴をつめる榊に手を振って、ICUの扉を開けた。