だから、恋なんて。
でも、避けちゃってたことが青見先生になにか関係ある?ないよね?
…いやいや、あるわ。一緒に働く人が自分のこと避けてたら気になるし、仕事しにくいもんね。
普通に人間関係として避けるってだめだよね。
しかも好意を持ってて、ドキドキして恥ずかしくって避ける…ってのとはちょっと違う気がするし。
考えながら、帰宅時間を過ぎて人も疎らな更衣室で下着だけになって着替える。
この頃はもう女子に体を見られるのなんて全然気にならない。
特にモデルみたいにスタイルがいいとか、お腹なんて出てませんから…っていうのではない。
高くも低くもなく平均的な身長に、ウエストラインもヒップラインも重力に逆らえなくなって見事に崩れてる。
それでも四十路にもなってくると、同性よりも異性に見られることのほうが恐怖で。
もう今更、ベッドで裸になって上からオトコに見つめられる絵面を想像しただけで吐きそうになってくる。
きっちり留めていた髪をほどいて、ロッカーの鏡をのぞく。
そこにはほどよく疲れた立派なオバサンが映されていて、やっぱりさっきみた若い看護師と青見先生のツーショットのほうが自然だと思い知った。