だから、恋なんて。
そのどっちにも転んでいない私は、やっぱり中途半端なんだなと軽く溜息がでる。
青見先生に腕をつかまれてからもう一週間。
自分なりに露骨に避けないように気を付けていたら、余計に変な行動になっていたみたいで、榊に怪しまれること数回。
それにあのオペの患者さんは予定オペだったし、すぐに状態が落ち着いたから翌日には一般病棟のリカバリールームに出て、その他にいた青見先生が関わる患者さんのそれぞれの病棟に移動していった。
だから青見先生がICUに顔を見せることがなくなったから、顔を合わせることが激減したので、避けるもなにもって感じ。
それでもICUの患者さんは青見先生の担当ばっかりじゃないわけだし、代わりに他の診療科のオペが立て込んで、今日なんかは救急で三人の患者さんを受け入れたから……やっぱり帰宅は二十時をゆうにまわっている。