だから、恋なんて。
お家ご飯
何かが聞こえた気がして、パチッと目を開いて視線だけで辺りを見回す。
うん、いつもの私の部屋。
素っ気ない白い壁に、遮光カーテンで光を遮った薄暗い部屋は、今がいったい何時なのか分かるヒントは何一つない。
夜勤明けでなんとかたどり着いて、空腹に耐えながらシャワーだけ浴びて、結局髪の毛を乾かす間もなく、空腹を満たすことなくベッドに転がり込んで、撃沈。
まだしっとり湿った髪の毛をうっとおしいと思いながらも、まだ起き上がる力も出ずにゴロンと寝返りをうつ。
-ピンポン、ピンポーン
隣の部屋で小さくチャイムの音が聞こえる。
あ、やっぱり、さっきも鳴ったんだな。
余計なものに起こされて、ちょっと無視しようかと考える。