イナズマ
「俺行くわ。」


「どんな曲かけるんだっけ?」

パターン2の一人が言う。


俺は淡々と答える。

あの曲だ。

俺がピアノで途中までしか弾けない。
今日は、サビのところしか流さないけれども、サビの直前までピアノで先生に聞かせたあの曲。
日本人なら誰でも知っている曲。


ゲームに先生が参加していたら、完全に先生の1本釣り出来るのにな。


「ベタすぎないか?」


颯太は言う。

「でも、嫌いな女子もいないだろうな・・・どうしよう、10人ぐらい振り向いたら・・・」


心配している男子もいる。


俺は、行ってもいいのか?と聞くと、みんな縦に首を振った。

背後で声が聞こえた。

「あいつがあの曲って、意外だよな? 洋楽かと思った」



< 104 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop