イナズマ
俺は後ろからポンと頭を叩かれる。

後ろを振り向くと学年主任のおっさんが新任の先生らしき女性と立っていた。


「早く、教室に入れ」


他の生徒だって、廊下に出ている奴もいるのに、俺だけが叩かれる。

叩きやすいのだと思う。


俺も海翔もよく殴られる。


見せしめはいつも俺ら。

ほら、海翔だって、寝ているところを名簿で叩かれている。


怜奈は、学年主任のおっさんに叩かれた海翔を見て、クスっと笑った。


海翔はその怜奈の微笑みを無視する。

俺にはうらやましい天使の微笑みだ。
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