イナズマ
教室に戻ると、怜奈が海翔に近づいていた。


海翔は気づいておらず、切れた唇を親指で抑えていた。

10月の夕方。


柔らかい風が海翔の少し長い髪の毛と怜奈のロングヘアを揺らしていた。



俺は、また、廊下の窓から教室を見る。



2人の間には、なぜか言葉がないような雰囲気。



2人が話している声が聞こえないだけなのか、本当に2人は言葉を交わしていないのかは廊下にいる俺からは分からない。
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