イナズマ
俺は、見てられない気分になるが、そのハンカチを海翔がどうするのか知りたい気持ちが抑えられなかった。

一瞬、海翔の背後にある黒板に貼られた英単語100問テストの成績優秀者の紙の1番は誰だったけ?などと違うことを考えてみるが、怜奈の海翔に向けられた細い腕が気になって、また2人に視線が戻る。


怜奈は、海翔の机の上にハンカチをポトンと落とした。


きっと、受け取る気配のない海翔には、手渡しができないと怜奈は気付いたのであろう。
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