イナズマ
先生も、口元をもっていたノートで隠す。

そして、どぎまぎしだした。
明らかに挙動不審だった。
俺はその様子を、教科書の上からそっと覗いていた。


「どうかしましたか?」

学年主任のおっさんは女に声をかける。


「「あははは」」

男子生徒からは、からかいにも似た笑い声をかけられる。
笑えないのは、俺だけか?

「すみません。緊張してしまって」


女はなんとかごまかそうとする。
そして、大きく深呼吸をして自己紹介をし始めた。
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