Heaven
唯一神と同一の存在
仄暗い部屋の中。

ベッドに寝かされた金髪の少女。

本来ならばあどけなくも愛くるしい寝顔を見せる年齢の少女の頬には、紫色の血管が蜘蛛の巣のように浮かび上がっている。

蒼白く変色した、しかし形のよい唇。

その唇が、嗄れた老人のような声を紡ぐのだ。

「何しにきやがった、聖水臭ぇヴァチカンの犬がよぉ!」

「……」

愛娘の変わり果てた姿、普段とは似ても似つかぬ声に絶望し、嘆き悲しむ両親を庇うように立ち、その青年は言う。

「…神に仕えし『ヘヴン』の名において命ずる…姿を現せ、人の世に仇なす異教の悪魔よ」

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