Heaven
両親に恨みはない。

きっと聖痕を持って生まれた以上、ヘヴンはこういう人生を歩む宿命だったのだろう。

体の五ヶ所にも訳の分からぬ傷を持つ子供。

そのまま育った所で、イジメの対象にしかならなかったに違いない。

カトリック教会に引き取られれば、中には生きた霊装などと揶揄する者もいるが、大半は奇跡の子と持て囃してくれる。

それで増長するヘヴンではなかったが、そう呼ばれる度、ここが己のいる場所なのではないかと思うのだ。

< 13 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop