Heaven
部活で遅くまで学園に居残っていたその目撃者の女子生徒は言う。

怪物を見た、と。

大きな気味の悪い蟲の怪物が、女の子を左右の鋏で押さえつけ、尻尾についた鋭い毒針を突き刺していたのだと。

多くの関係者も警察も、夢でも見ていたのだろうとその証言を相手にしなかったが。

「……」

依頼者の教頭に許可を得て学園敷地内に入ったヘヴンは、無表情のまま周囲を見渡す。

「人払いの結界が張ってある…魔物が狩りをする際に張ったものだ…」

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