Heaven
「……」

ヘヴンは衣服の右袖を捲る。

「丸腰の祓魔師に何が出来る!数百年を生きたアタシのような魔物に!」

再び飛来する二本の三つ編みを。

「うっ!」

ヘヴンは類稀な動体視力で見切り、二本纏めて鷲摑みにした。

同時にジュウッ、と音を立てて焼き切れる狂子の三つ編み。

「このっ、女の髪に何て事を!」

「お前は女ではない」

無表情のままヘヴンは言う。

「女である前に、神に仇なす魔物だ」

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