Heaven
白髪の短髪、生成りに近い象牙色の布で出来た簡素な衣服、中肉中背だがやや筋肉質。

青年…ヘヴンは無表情のまま、その言葉を聞いている。

天野の『天』と国彦の『国』を取って『ヘヴン』。

まるで言葉遊びのようだが、真名を明かすのは魔術戦闘や魔との戦いにおいて危険である為、この名は重要なものなのだ。

本来エクソシズムとはカトリック教会と東方典礼カトリック教会より遣わされた優秀な使徒によって行われるものだが、ヘヴンはこのヴァチカンにおいて特別な地位に属していた。

「よもや断りはしまい、『生きた霊装』」

「止しなさい」

教徒の一人が言った言葉を、ローマ教皇が窘めた。

「ヘヴンは奇跡の子として唯一神と同一の存在とされる信仰対象です。貶めるような発言は許しません」

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