Heaven
「理解しました」

姿を直視せぬまま言うカタリナ。

「貴方は悪魔ですね?」

「お母しゃんでしか?」

「母親の胎内に宿った命に憑依し、命を食い貪り、自らが肉体を奪って現世に顕現した…そうですね?」

「お腹が空いたのれす」

「何という…命を冒涜した、汚らわしい…まさしく鬼畜外道の所業」

「ごはんくらさい」

「ヴァチカンは貴方のような存在を否定します」

「くらさい」

静かな怒りを湛えるカタリナと、好き勝手に食事を要求する赤ん坊。

会話は噛み合わない。

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