Heaven
「ヘヴンだぁ?」

部屋の中。

少女はベッドから身を起こして下品に笑う。

「天国たぁいけ好かねぇ名前だぜ!天国に昇天させんのは女だけで十分だろうがよ!突っ込みゃ節操なくどんな女でも腰振るんだからよ!」

「あぁ…」

「何て汚い言葉を…」

娘の変わり果てた暴言に泣き崩れる両親。

ヘヴンは無表情ながらも、強い眼差しで少女を見据える。

「ヘヴンの名において命ずる。姿を現せ悪魔。その子から離れよ」

そんな言葉と共に、右の掌を少女に向ける。

…掌には、奇妙な痣があった。

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