Heaven
日本の民間伝承や古典の怪談、随筆などにある猫の妖怪。

大別して山の中にいる獣といわれるものと、人家で飼われている猫が年老いて化けるといわれるものの二種類があるという。

1775年(安永4年)の『倭訓栞』では猫又の鳴き声が山中に響き渡ったと記述されている事から、ライオンやヒョウほどの大きさだったと見られているらしいが。

「これ程巨大な猫又は、ヴァチカン所蔵の書物にもありませんでした」

アル・アジフを盾代わりに猫又を牽制しながら、カタリナは呟く。

地面に着地し、背中の毛を逆立て、二本の尾を太く膨らませて威嚇する猫又。

ここまでの大きさとなると、最早大型肉食獣と何ら変わりはない。

それこそライオンやヒョウを相手にするようなものだった。

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