Heaven
ヘヴンのその痣を見た途端。

「うぎっ!」

少女…正確には彼女に憑依した悪魔がギョッとした顔をする。

「てめぇっ!その痣は『聖痕(スティグマ)』か!」

喚く少女。

それに構う事なく。

「出て行け」

ヘヴンは右掌を少女の額に押し付ける。

まるで焼印を押し付けられたかのような、ジュウッという不自然な音。

同時に。

「ぎぃやぁあぁあぁあぁあっ!」

断末魔のような悲鳴を上げて、少女の身の内から一体の悪魔が飛び出してきた。

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