Heaven
身分の高い政治犯を幽閉、処刑する監獄としても使用され始めたのは1282年の事で、やがて14世紀以降は政敵や反逆者を処刑する処刑場となった。

このような不吉や死に関わる噂は枚挙に暇がないロンドン塔の事だ。

今回の都市伝説とて、それらの他愛ない噂の中の一つに過ぎないと思われていた。

が、その噂の真相を究明し、必要であれば討伐を。

ヴァチカンにそんな依頼が舞い込んできた為、ヘヴンはロンドンにまで足を運ぶ事となった。

イギリスにも聖公会(英国国教会)というカトリック教会から分かれてプロテスタントの教義から影響を受ける一派が存在する。

当然元を辿れば同じ宗教、聖公会にも祓魔師は存在するのだが、流石にヘヴンのように聖痕を持つ祓魔師は存在しない。

それに魔物など『生きた霊装』に始末させればよかろうという偏見の目を持つのは、どうやらカトリック教徒だけでなくプロテスタントも同様であり。

つまりはそういう理由で、ヘヴンは派遣されたのだ。

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