Heaven
霧の向こうで、青年の姿がぼやける。

その姿は、男性から女性へ。

「神だけ愛しておられるのではないようですね…奇跡の子が隅に置けない」

その女性は修道服を纏っていた。

フードの額や背中から見える長い金髪、赤い瞳…。

「彼女…ああ、シスター・カタリナと仰るのですか…魔道書を携えるヴァチカンでも異端のシスター…成程、どこか貴方と境遇が似ている…貴方が共感を覚えるのも無理からぬ話」

霧の中から姿を現したのは、紛れもなくそのシスター・カタリナだった。

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