Heaven
「ランスロット…お前は『生きた霊装』の討伐した魔物をどう思う」

「…なかなか手強い相手だったのではないかと。力押しに攻めてくるのではなく、言葉巧みに人間を謀り、惑わし、欺く…まさに人間を堕落させる悪魔に相応しい狡猾な存在だったと」

「…その『騎士(ナイト)』をして手強いと言わしめる魔物を、討伐したのだ…『生きた霊装』はな」

『騎士(ナイト)』とは、ランスロットの持つ称号。

ランスロットは英国王室より『騎士(ナイト)』の称号を与えられた聖公会最強の祓魔師なのだ。

しかしその称号も、英国国教会のお膝元でヴァチカンの祓魔師に活躍されたとあっては地に墜ちるというもの。

「英国国教会はカトリックの分家や二番手では決してない…その事を知らしめなければならない…」

「心得ております…」

司祭の言葉に、ランスロットは恭しく頭を下げた。

< 78 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop