軌跡。
「「はあい!」」

こいつらに、そんな気持ちなんて、ないことぐらい、あたしには分かった。

いきがって…ムカつく。

唇を強く噛み、全身に力を入れる。
すると、後遺症の関節症で足がガクンとなる。

もう、転けてしまう。
ふわっと、いい匂いがした。
そして、がっしりした腕の感触。

「冬月さん…大丈夫?」
「………大丈夫…です…。」

透き通る様な声、意外な筋肉質、綺麗な長細い手、吸い込まれそうな大きい瞳。

これが、一目惚れ…なんだ。

< 11 / 17 >

この作品をシェア

pagetop