軌跡。

「あ…これ…believeだ!」
あたしが、叫ぶ。

「「本当だ!」」
りょうと真矢っちがハモる。

「先生が、勝手に決めます。高等部1年の級訓は…believe!」

しばらく、音色が続いたあと、相田先生が、あたし達に聞く。

「believeの意味、知ってる?」
「信じる?」
りょうが小さな声で、言った。

「そう。自分たちの未来や可能性を信じて…そして…友や先生を信じる。」

「いい…真矢、未来信じる。」
「俺は、賛成意見。」

「鈴さんは?」
「え…?」

あたしは、先生の横顔、長い指、まだ素人なギターの音色、上手くはない唄声。

恥ずかしながら…見とれていた…。

「あ…いいと思う!」
「聞いてた?」

聞いてたよ…。先生の音。

「聞いてました(笑)」
「じゃあ…決まり!」


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