軌跡。

まさか、エレベーターの使用は反対されると思ってたから、すごく嬉しかった。

階段のところで、周りの声、聞きたくないしね(笑)

行き先は3階。ボタンを押す…。
手が、震える。

実は、あたしは…閉所恐怖症。
だけれど、周りの声を一切無視して良い、機械音だけを聞くエレベーターと言う場所は、唯一の一瞬の休み場だった。

「矛盾してるよね(笑)」
独り言を言ってドアが閉まる瞬間、声がした。

「ちょっと、待って!」
透き通る声なのに、低い声。
新しい、担任の声…。

あたしは、あたふたして…扉が閉まりそうになってしまった。

ガコン…
「…へ?」


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