春の桜は色鮮やかに=独眼竜の妻・愛姫=
祝言
「早く来い、お前を待っていたんだ」
「は、はあ・・・」
鮮やかな瑠璃紺色の大紋を着た少年。
愛姫の手をとって、そのまま上座へと引っ張っていく。
大紋に染め抜かれた堅三引両の紋を見て、愛姫は隣に座った少年が伊達藤次郎政宗その人だと知った。
あまりにも奔放なその振る舞いに、愛姫は思わずため息をついた。
「祝言の席にしては、随分と鮮やかなお召し物でございますね」
「それを言うなら、お前こそその派手な打掛はなんだ」
「まあ、これでは夫婦揃ってとんだ傾き者になってしまうではありませぬか」
「いいじゃないか。自分のやりたいようにやって何が悪いのさ」
「ふふ、それもそうでございます」
初対面というにも関わらず、意気投合したようすで話し込む二人。
呆れた景綱が、ぽつりと一言呟いた。
「頼むから祝言の儀を進めてくださいませ・・・」
「は、はあ・・・」
鮮やかな瑠璃紺色の大紋を着た少年。
愛姫の手をとって、そのまま上座へと引っ張っていく。
大紋に染め抜かれた堅三引両の紋を見て、愛姫は隣に座った少年が伊達藤次郎政宗その人だと知った。
あまりにも奔放なその振る舞いに、愛姫は思わずため息をついた。
「祝言の席にしては、随分と鮮やかなお召し物でございますね」
「それを言うなら、お前こそその派手な打掛はなんだ」
「まあ、これでは夫婦揃ってとんだ傾き者になってしまうではありませぬか」
「いいじゃないか。自分のやりたいようにやって何が悪いのさ」
「ふふ、それもそうでございます」
初対面というにも関わらず、意気投合したようすで話し込む二人。
呆れた景綱が、ぽつりと一言呟いた。
「頼むから祝言の儀を進めてくださいませ・・・」