春の桜は色鮮やかに=独眼竜の妻・愛姫=
「姫様、本当に何もなかったので?」
「ほんとだよ。なんにもなかった」
「まあ、まだお二人に夜の仲は早かったかもしれませぬね」
「なにそれ」
「うふふ」
伊達家に嫁いで、二日目の朝。
朝餉を終えた愛姫は、たきと束の間の雑談を楽しんでいた。
今日も昨日と同じく婚礼の儀式が執り行われるため、もたもたしてはいられない。
景綱に釘を刺されたので、今日はさすがに白装束を着用することにした。
真っ白な装束は、愛姫の白い肌にまた映える。
前日と比べて幾分か落ち着いた表情の愛姫に、たきもほっと安心できた。
すると、そこに同じく白装束を着た政宗がやってきた。
「よーう愛姫。お前も小十郎に釘を刺されたようだな」
「ええ。景綱殿は本当に生真面目な方です」
「はは、かわいい奴だな。小十郎とは正反対だ」
「政宗様も景綱殿のような聡明な殿方になってくださればよいものを」
「それにしてもお前、随分と白装束が似合うではないか」
全く噛みあっていない会話で談笑する愛姫と政宗。
たきは、苦笑いしかできなかった。
「ほんとだよ。なんにもなかった」
「まあ、まだお二人に夜の仲は早かったかもしれませぬね」
「なにそれ」
「うふふ」
伊達家に嫁いで、二日目の朝。
朝餉を終えた愛姫は、たきと束の間の雑談を楽しんでいた。
今日も昨日と同じく婚礼の儀式が執り行われるため、もたもたしてはいられない。
景綱に釘を刺されたので、今日はさすがに白装束を着用することにした。
真っ白な装束は、愛姫の白い肌にまた映える。
前日と比べて幾分か落ち着いた表情の愛姫に、たきもほっと安心できた。
すると、そこに同じく白装束を着た政宗がやってきた。
「よーう愛姫。お前も小十郎に釘を刺されたようだな」
「ええ。景綱殿は本当に生真面目な方です」
「はは、かわいい奴だな。小十郎とは正反対だ」
「政宗様も景綱殿のような聡明な殿方になってくださればよいものを」
「それにしてもお前、随分と白装束が似合うではないか」
全く噛みあっていない会話で談笑する愛姫と政宗。
たきは、苦笑いしかできなかった。