春の桜は色鮮やかに=独眼竜の妻・愛姫=
二日間悩んだ末、愛姫は決意を固めた。
「父上」
「ああ」
「私は、伊達との縁談を受けることに致しました」
「それは真か。では、お前は何故この話を受けたのだ」
「はい。田村の姫とはいっても、私にとって伊達家は強大な勢力・・・その家に嫁ぐことに対して、不安がないわけではありませぬ」
「ほう」
「しかし今の時代、そんな甘い事を言ってはいられませぬ。それが田村のためになるならば、私は喜んで伊達家に嫁ぐつもりでございます」
「・・・そうか。では、伊達に了承の旨を伝える」
「はい」
「最後に聞く。本当に、後悔はしないのだな」
「もちろんでございます」
愛姫はそういって、父の目をじっと見つめた。
もう後には戻れないことは、分かっていた。
しかしかえってそれが、愛姫の心を落ち着かせる。
この時彼女は、田村家を離れる覚悟を決めたのだ。
「父上」
「ああ」
「私は、伊達との縁談を受けることに致しました」
「それは真か。では、お前は何故この話を受けたのだ」
「はい。田村の姫とはいっても、私にとって伊達家は強大な勢力・・・その家に嫁ぐことに対して、不安がないわけではありませぬ」
「ほう」
「しかし今の時代、そんな甘い事を言ってはいられませぬ。それが田村のためになるならば、私は喜んで伊達家に嫁ぐつもりでございます」
「・・・そうか。では、伊達に了承の旨を伝える」
「はい」
「最後に聞く。本当に、後悔はしないのだな」
「もちろんでございます」
愛姫はそういって、父の目をじっと見つめた。
もう後には戻れないことは、分かっていた。
しかしかえってそれが、愛姫の心を落ち着かせる。
この時彼女は、田村家を離れる覚悟を決めたのだ。