春の桜は色鮮やかに=独眼竜の妻・愛姫=
さくさく、という雪を踏む足音が止まった。
それと同時に、愛姫の耳には何人かの男の声が聞こえてくる。
張りのある声のあいさつは、愛姫の駕籠までは届かなかった。
駕籠がゆっくりと地に降ろされ、引き戸が開く。
雪に反射してきらきらと輝く光がまぶしくて、愛姫は目を細めた。
白い雪の上に足を乗せ、しずしずと駕籠から出る愛姫。
その目の前に、大きな影が現れた。
「お初にお目にかかります、愛姫様」
「あなたは・・・」
「伊達政宗が近侍、片倉景綱と申す者です。何卒、お見知りおきくださいますよう」
「田村清顕が娘、愛にございます。こちらこそよろしくお願いいたします、景綱殿」
「はっ」
片倉景綱と名乗ったその男は、愛姫よりも頭二つ分ほど大きい身丈をしていた。
政宗の近侍というくらいだから、信頼のある部下に違いないと思った愛姫は、特に警戒もせず、にこりと笑いかけた。
景綱もそれに応えるかのように、小さく笑って頭を下げた。
それと同時に、愛姫の耳には何人かの男の声が聞こえてくる。
張りのある声のあいさつは、愛姫の駕籠までは届かなかった。
駕籠がゆっくりと地に降ろされ、引き戸が開く。
雪に反射してきらきらと輝く光がまぶしくて、愛姫は目を細めた。
白い雪の上に足を乗せ、しずしずと駕籠から出る愛姫。
その目の前に、大きな影が現れた。
「お初にお目にかかります、愛姫様」
「あなたは・・・」
「伊達政宗が近侍、片倉景綱と申す者です。何卒、お見知りおきくださいますよう」
「田村清顕が娘、愛にございます。こちらこそよろしくお願いいたします、景綱殿」
「はっ」
片倉景綱と名乗ったその男は、愛姫よりも頭二つ分ほど大きい身丈をしていた。
政宗の近侍というくらいだから、信頼のある部下に違いないと思った愛姫は、特に警戒もせず、にこりと笑いかけた。
景綱もそれに応えるかのように、小さく笑って頭を下げた。