-浅葱-新選組異聞
七瀬は知り得る限りの歴史を頭の中で思い出す
「確か……長州の浪人の仕業に見せ掛けて愛人と一緒に殺しだんだろ?未来では有名な話だぜ」
土方は眉間に皺を寄せている
訝しげに七瀬を睨み付けた
「鵜呑みに出来る話じゃねぇな」
「でも事実です」
たっぷり三秒間視線を交わしていると、沖田がニコリと底知れない笑みを浮かべた
「君達はコレからどうするの?」
中性的な柔らかい面差しの沖田だが、瞳は笑っていない
その問いも七瀬たちの生死を分ける
けれど、七瀬の答えは決まっていた
「俺たちをここに置いて下さい」
「浅葱!?」
「夜嗣、帰り道が分からない以上どこかに身を寄せるべきだ。この世界で俺たちだけで生きていけるわけない」
御草は唇を噛む
頭がすでにパンクしている
しかし、確かに子供2人で生きていけるとは思えない
この人達が本当に新選組で、この時代が本当に幕末ならば