-浅葱-新選組異聞
淡々と述べる七瀬に御草はため息を吐く
沖田は笑顔でなら、と言った
「とりあえず、お茶にしませんか?」
目についた茶屋で3人は休憩することにした
****
「帰り道わかりませんでしたねぇ」
みたらし団子を頬張りながら沖田は言った
因みにその団子は三皿目である
御草と七瀬も沖田の奢りでお茶を飲んでいた
「そうそう、お二人が私の1番隊預かりになったことは言いましたよね?」
「はい……」
「うん。それから、他の隊士には君たちが未来から来たって事は内緒ですよ。色々と面倒なことになるので」
御草と七瀬は神妙に頷く
確かにあまり口外して良い種類の話ではない
「わかりました……」
「未来……この国はどうなってるんですか?」
笑う調子で沖田は言った
御草はなんと応えてよいかわからない
「未来のこの国は……平和ですよ」
七瀬が呟く
静かに、けれどどこか揺れるような声音に御草が七瀬の顔を見るが、そこから何かを読み取ることができない
「それはよかった」
沖田はそれ以上は聞かなかった