空色ホイッスル



電車に乗ると、立っている人はいなくてみんな椅子に座っていた。



そして近くに空いてるところがないか見つけると、



1つだけ空いてる席が目に入って



俺は芽衣の手首を掴んで引くと、その空いてる席に連れて行って座らせた。



「え…いいよ?私も立つよ?」



と言ってすぐに立とうとする芽衣。



「いいから芽衣は座ってて。



俺が座ったら寝ちゃうから」



そう言って芽衣の肩をちょっと押して宥めたけどこれはあながち嘘ではない。



座って電車の心地よい揺れ感じてたらまじで寝る気がする。



「ありがとう、一ノ瀬くんは優しいね!」



にこにこと笑いながらサラッと言った。



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